枯れるまでの短期間の華やかさを愛でる花と、長期間の開花を楽しめる花のどちらが魅力的【イソップ物語】
今回はイソップ寓話の一つ「薔薇と鶏頭」の話です。
花の知名度でみると薔薇は有名ですね。薔薇の歴史を辿ると紀元前の頃から観賞や装飾、香料として愛されてきたようです。
鶏頭の花も古代のアジア、アフリカの熱帯地域が原産とされていて歴史の古い花です。
日本には奈良時代に中国から伝わったとされているのですが、花や葉を食用として栽培されており、現在でも食用に育てられている鶏頭があるようで、中国では生薬にも使われています。
今回のお話は薔薇と鶏頭がそれぞれの花の特徴を自虐しながら褒めるという内容です。
教訓としては、どちらの花も一長一短ということになるのですが、花も人も用途の違いによって魅力の伝え方が変わるので、その時々によって特性に合った紹介が出来るようにしたいですね。

綺麗に咲く花を愛でるのは世界各国、今も昔も時代を超えて共通です。
今回のお話で登場する花、薔薇と鶏頭、どちらの花もとても綺麗ですね。
おや、どうやらお互いを褒め合っているようです。
ちょっと近くで会話を聞いてみましょう。

薔薇と鶏頭が花園で隣同士並んで咲いていたが、ある日、鶏頭は薔薇に
「本当にあなたはいつもお美しくって」
「香りの高いのがお羨ましうございますね」
「それでは世界中の人に可愛がられるのも無理はありません」
と言うと薔薇はかえって浮かぬ調子で
「いいえあなた、私の盛りはほんの一時ですわ」
「花びらがじきに萎んで落ちてしまえば」
「私の命も枯れるのですもの」
「それから見ればあなたの花は切り取られても」
「決して萎むということはない」
「本当にお羨ましいことだと思いますわ」
と言った。

花にも色々な種類がありますね。
例えば薔薇は、同じ薔薇でも世界中で交配が繰り返されて、長い歴史の中で多種多様な品種に分かれています。
鶏頭は主に熱帯気候の気温が暑い地域で咲く花です。
暑さに強く丈夫で薔薇と比べて長期間花が咲き続けます。
広い庭園を色鮮やかに彩るのに最適な花ですね。
私はどちらの花も美しいと思いますよ。
今回のお話はここまで。